US版おたくの恐るべき実態!!

企画・写真:エンディ
世の中には変人といわれる人が数多くいるわけですが、変人もその道を究めれば、偉人になってしまうのでバカにしてはいけません。あなたの周りにも何をしているのかは解らないけれど、とにかくすごいという人はいないでしょうか。特にアメリカのように、ありとあらゆる人々がまぜこぜに住んでいるような国には、日本では考えられないほどの変人がいるに違いありません。このページはそんなほんの少し主流からはずれた"alternative"
な人々にスポットライトを当てて彼等の生態や習性を探っていき、より多くの人々にその実態を知ってもらおうと思います。
皆さんは『アニメおたく』といわれる人々を知っていると思います。そうです、彼等は教室の隅にたむろしつつ、独特の画風を持ち、一見穏やかそうでありながら結構大胆な思想を持った、日本のサブカルチャーを支える興味深い人達です。そんな『アニメおたく』が実はアメリカ人の中にも存在して、それが最近増えているらしいとの情報を得て、その実態に迫ってみました。
日本でも最近 "JAPANIMATION" という言葉を目にするようになりましたが、これは日本から外国(特にアメリカ)に輸出されたアニメーションのことで、ロボットからロリータものまで様々なものがあります。外国人受けするのは「アキラ」だけではないようです。
今回取材させてもらったマイケル・メイ君は、セーラームーンをこよなく愛する17歳の少年です。彼は単なるセーラームーンのファンではなく、全米に3万4千人も会員のいる団体
SOS (Save Our Sailors : セーラームーンのTV放映を支持する世界最大のセーラームーンファンクラブ)のエグゼクティブをやっているらしいことを聞いていました。部屋に取材に行った私を迎えてくれた彼は、もち肌に、度のきつい眼鏡という、まさにその道の大物の貫祿たっぷりでした。そして中味までもが立派な正統派おたくぶりで、始終私を圧倒してくれました。
編:いつごろアニメを観だしたの?
M : 5、6歳の時かな。そのころちょうどマクロスとかやってた。それからはもうずっとファンだよ。
編:ファンとしてどんなことをやってるの?
M : コミックのストーリーを書いたり、ほんの時たま、日本のアニメの歌を訳したり。もちろんアニメはチェックするしね。
(彼の「アニメ」の発音は日本人のそれと限りなく近く、彼のアニメにたいする愛をひしと感じます。)
編:どこで、こんなポスターとかアニメグッズを手にいれたの?
M : ビデオはだいたいアメリカで買ったよ。あとメールオーダーしたり、日本から取り寄せたり。日本のCDは日本に前行ったときに買った。でも日本のものは高いよね。
編:あなたが好きなセーラームーンは一応子供向けなんだけど、アメリカではどんな人達がファンなの?
M : 主流は大学生、中年の人達だと思う。最近は子供も観るようになってきたけど、検閲に引っかかって放送が終わってしまった。
編:セーラームーンのどこがアメリカの検閲にひっかかるの?
M : セーラームーンの場合は暴力がだめだったんだ。だからアメリカで放送してたときも話は変えられてたし、いっぱいカットされてて全然違うものになってたんだよ。(マイケルちょっと悲しげに語る) アメリカのほかのアニメはもっともっと暴力的だったりするんだけど... あとセーラームーンはストーリーも複雑で、子供向けアニメとしてはアメリカでは不合格だったんだろうね。
編:どうして日本のアニメじゃないとだめなの?それからどうしてああいう風な非現実的な女の子たちがかわいいと思うの?
M : うーん、日本のアニメはストーリーがしっかりあって、アメリカの漫画みたいにスラップステイックじゃないから大人も十分楽しめるんだよ。あと、ああいうアニメ顔は、目が大きいからすごく表情が豊かだと思う。髪の毛だってすごくいいし。アニメならいろんなストーリーがつくれるんだよ。
編:アニメの絵が大好きなら、自分でもそういうふうな絵をかこうとか思ってるの?
M : アメリカのアニメファンも描いてみようと試みるんだけど、ボクの意見ではアメリカ人にはムリだと思う。なんとなくそれっぽくなっても、やっぱりどこか違うんだ。日本人みたいにうまくできないんだよ。日本人は漢字とか書いているから、あんな絵がかけるんだ。
編:あなたの属している団体SOS は何をやっているの?
M : さっきも言ったように、今年の秋からセーラームーンが放映中止になったんだ。カナダやヨーロッパでは続いてるのになぜかアメリカだけでね。これは全米多くのアニメファンにとって大問題なんだ。なぜならセーラームーンが放映されなければ日本の他のアニメもこれからアメリカでやることはとても難しくなる。SOS
はセーラームーンをアメリカのTVに復活させようと、今いろいろなところに働きかけている。放送中止になった当初、アメリカ側のプロバイダーが原因だと言われていて、そこといろいろ連絡を取っていたけど本当の原因はどうやら違ったらしい。そこで僕たちは.....
彼にしゃべらせると終わりそうもないので、ここはひとつ自慢のグッズを聞いてみました。そうするとその狭い部屋のなかに更にガラクタ、いや通な逸品をわんさと出してきて説明をし始めました。特にセーラームーン関係は、素人目にも充実していることがわかります。セーラームーンのCD8枚、ビデオ5本にセガサターンのセーラームーンゲーム。セーラームーンマグとそれを2個いれる専用ハードケース。スクールグッズと言って取り出したのはハート形の窓の付いたセーラームーン筆箱。その中には、セーラームーン消しゴム、定規?に、セーラー戦士全員のペンがぎっしりつまっていました。日本でも雑誌の懸賞でしか手に入らないと言うセーラームーンバックパック2個と手さげかばん。あとここに書き出してもきりがないほどのセーラームーン小物を見ていたら、マイケル君は、やおらセーラービーナス(セーラー戦士の1人で彼のお気に入り)の人形を2体とりだし、嬉しそうに「これは日本で買ったもので、こっちはアメリカ製。ほら顔が違うでしょ。」 その人形がしゃべるところを聞かせようとして、必死になってなくなった電池を取り替えている姿を見ていると、マニアの世界までの距離をいちだんと感じたような気がしました。彼のこのセーラームーンに対する愛って、いったいどこからわいてるのでしょう。彼に「じゃあ、そのセーラームーンの人形を持って、ベッドに寝転がってくれる?」と言ったら、彼は真顔でやってしまいました。この17歳の少年は半端じゃなくシュールなユーモアのセンスの持ち主なのか、単に子供っぽいのか、今でもよくわかりません。しかし彼も
"alternative" の道を突っ走る若者ということは確かなようです。マイケル君は将来声優か、アニメのライターになりたいそうですが、その夢がいつかかなえられるようにがんばってほしいです。そんな彼に幸多かれ!
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